霊芝は、中国の古い書物「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」に収載されているきのこの一種です。霊芝には、色の異なる数種の霊芝がありますが、メナードは、1980年代から、「赤霊芝」に着目し研究を始めました。さらに、その後、より希少価値が高い「黒霊芝」にも様々な効果を見出してきました。
通常、エキスの作製は、水で煮出す熱水抽出や、エタノールまたはエタノールと水の混合液に浸す方法が一般的ですが、特別な抽出方法を用いることで、それまで得られなかった効果をもったエキスを作り出すことができます。
油性の有用な成分を高純度で抽出できる超臨界抽出法
霊芝は「ツヤ出し」という処理を行うと、内部に存在するツヤ成分が表面に出てきて、見栄えの良い状態になります。このツヤを生むのは油性成分で、その中に効果が高い成分が含有していることがわかり「超臨界抽出法」で抽出することを考えました。
超臨界抽出法は、具体的には超臨界二酸化炭素抽出法といわれているものです。物質は温度と圧力によって気体や液体、固体の状態をとりますが、一定の温度と圧力になると臨界点と呼ばれる状態に達して、気体でも液体でもない特殊な「超臨界」の状態になります。超臨界二酸化炭素抽出法は、超臨界状態にした二酸化炭素を用いて、抽出を行う方法で、油性成分を高純度で抽出することができます。
油性成分の抽出方法は他にもありますが、一般的な方法で霊芝の抽出を行うと、不純物が多く含まれ、化粧品への配合に適しませんでした。超臨界抽出法によって得られた霊芝の抽出物は油性成分が高純度で、化粧品への配合が可能な霊芝エキスの開発に成功しました。
より多くの成分を抽出できる亜臨界水を用いた抽出方法
霊芝は、通常「煎じ」て飲用され、熱水に入れて有用な成分を煮出す「熱水抽出法」が一般的です。しかし、熱水抽出法により得られる成分は、霊芝に含まれる有用な成分としてはごくわずかな量で、他に有用な成分が残っているとしても、抽出できていませんでした。そこで、より多くの成分を効率よく抽出できる方法はないかと検討を重ね、たどり着いたのが「亜臨界水」を用いた抽出方法です。
亜臨界水は、100℃・1 気圧の水よりも高温・高圧状態で、通常の水とは異なり「溶出力が高い」という性質をもっていて、水にやや溶けにくい成分も抽出できます。亜臨界水を用いて抽出することにより、抽出できる量が増えたばかりでなく、熱水抽出法では得られにくい新しい有用な成分を抽出することができました。