肌の最も外側は角質細胞が層になって、角質層を形成しています。角質細胞は、常に入れ替わっており、古くなった角質細胞は剥がれ落ちていきます。古い角質細胞が肌に残っていると、肌の透明感が低下します。
紫外線を浴びた肌の角質細胞は無数の突起によってからみ合っている
紫外線を浴びた肌の角質細胞は、剥がれにくく頑固に残っています。この原因を、肌の角質細胞表面を観察することにより、明らかにしました。
紫外線を浴びた肌の角質細胞の表面には、微絨毛様突起(びじゅうもうようとっき)と呼ばれる微細な無数の突起が発生しています。そして、この突起がからみ合うことで、角質細胞同士が頑固に結びつき、剥がれにくくなることがわかりました。
微絨毛様突起が形成されていない腕の内側に紫外線を照射し、角質細胞の表面を観察することにより、紫外線が微絨毛様突起を形成する原因であることが明らかになりました。
微絨毛様突起の形成メカニズム
肌が紫外線を浴びると、角質細胞のもとになる細胞である基底細胞内にGLUT-1※と呼ばれるタンパク質が発生し、このGLUT-1が表皮細胞に影響を与え、微絨毛様突起が形成されます。
※GLUT-1: 糖輸送体(Glucose transporter)の一種
- 第38回日本香粧品学会(2013)
シミ予備群が多い部分はデスモソームによる角質細胞の結びつきが強い
シミ予備群がある部分は、角質細胞同士を結びつける成分であるデスモソームの量が多く、角質細胞の結びつきが特に強いため、剥がれにくいという事実もわかりました。